2018/10/20 20:21

出会って6年目、私たちは住み慣れた家から引っ越した。

店に暮らしはじめた黒猫Neccoが2度目の出産をして、
2頭の子猫が日に日に成長し、車にはねられそうなのがいやで、
この先、自分が後悔するとなると、あの時こうしていればというのは
今日のことで、引っ越ししていればと毎日感じるのではないかと思い突然引っ越した。
軌道にのりかけた店を閉店するのに躊躇しなかったのは、
一番起きて欲しくない未来を想像したから。

Necco 一家を山小屋に引越しさせてから、一年近く
朝晩、ご飯だけをあげに店とNecco 一家の間を高速で往復。
そのうち、庭に2〜3時間しかだしてあげれないショコラとチョコレートも連れてきたくなった。

愛猫のショコラとチョコレートが嫌がる街の騒音のない自然の中へ。

毎朝、出勤するまで、庭で鳩を狙ったり、雀を脅かしたり、どんぐりを投げて遊んでいた。
仕事に行くたび、2~3 時間程度でお留守番させるのが心苦しかった。
引っ越した先は猪や狸、狐や栗鼠など文字にしても獣がいっぱいになる。
でも車は通らないし、大きなバイクの音もしない。

引っ越して初日の夜中、7歳を迎える前にショコラは窓をあけ、
真っ暗な山の中へ出て行った。パニックになりそうだった私は
名前を呼び続け、信じて待った。

その2日後...

彼は冒険へ出ていまだに帰ってきていない。
この時を待っていたのかもしれない。

感じる。

彼は生まれて7年めを一頭で山の中で迎え、
逞しくなっていく彼自身を感じ野生を謳歌している姿。

私は彼のきょうだいであるチョコレートと雌2頭で生きながら、ショコラの帰りを待つことに決めた。
チョコレート一頭で留守番はさせたくない。
ショコラが帰ってきても留守番はさせない約束でここへ引っ越してきた。
そうやって始めたデザイン業とこのウェブショップ。
私たちの今までの写真から好きな映画や音楽をテーマに、
いつか想い出とともに色褪せて、アメリカのレコードショップにあるヴィンテージ Tシャツやバッグなどになれたらいいなっ
ていう夢を淡く描くようになった。

離れていてもいつも一緒。
愛を込めてデザイン。

ショコラ、ついに ウェブショップ オープン したよ。
 
そして嫌かもしれないけれど
店に住み着いたNecco 親子と一緒に暮らそう。

準備ができたよ。

みんなを愛せる土台がこの小さな山の天辺にできた。